塗装工事トラブル事例

塗装工事には様々なトラブルが発生することも少なくなり有りません。

業界の悪しき感覚である「リフォーム工事にトラブルは付きもの」などというとんでもない感覚はさておき、実際に起きたトラブルを知ることでなにかの参考になればと思います。以下にご紹介するトラブル事例は実際に私が見聞きした事例です。

事例その1 とにかく安かったが失敗だった

外壁と屋根を2年前に塗装したお客様から、補修工事の依頼をいただきました。

なぜ2年前の塗装工事を補修しなければならなくなったのか?についてご紹介します。

そのお客様はからは、塗装が剥がれる原因として主にどのようなことが考えられるのか教てほしいとのメールによる質問をいただいたことから相談が始まりました。剥がれた塗装はどのように補修するのか。補修した箇所は補修の跡が残るのか。などの質問など当店webサイトを通じて数回のメールによるやり取りをしました。その後、一度現地で状態などを確認したうえでアドバイスさせていただきたいとの私からの提案で面談することになりました。訪問してお話を聞いたところ、新築して10年目にその家を建築したハウスメーカーから塗装を勧められたのをきっかけに、そのハウスメーカーを含めて5社から見積りを取りました。各社の見積りはびっくりするほどバラつきがあり、約90万円から約55万円まであったそうです。どの会社も自社の良い点を強調し、中には他社の悪口をまくしたてたりで各社の説明を聞いているうちに、どの会社に決めたらよいのかわからなくなってしまいました。迷ったすえに、一番安い見積りを提示した会社に決めたそうです。

工事が始まると5~6人の職人さんが来て、外壁・屋根を4日間でアッという間に塗り終えたそそうです。早いのはいいことですが、塗装作業には必要な乾燥工程などがあり、いくら大勢の人数で作業しても物理的に短縮できない日数があるのです。例えばコーキングを打ち替えたら最低でも1~2日は乾燥させるなどです。

工事期間については建物の大きさなど条件によって変わりますが、当店では一般的な住宅は2~3人で約1週間~10日間かかりますので、このケースは短期間に慌てて工事したという印象を持ちました。

案の定集金も早かったようです。工事が終わる日に集金をさせて欲しいと工事の初日に言われていたので、あらかじめ現金を用意しておき、足場を撤去している最中に集金にやってきた社長さんに全額支払ったそうです。このことから、職人さんの作業日数を短縮して工事原価を抑えたのと、会社の支払いは苦しくて早くお金が欲しかったではないかというこの業者の事情が見えてきます。

さて、1年半が経過した秋頃から小規模ながら壁のところどころに塗膜の剥離が出てきました。

早速業者に連絡したところ、見に行きますとの返事はあったものの一向に見に来ることがないままとうとう冬になりました。補修するにしても時期が悪いのでしかたなくあきらめて、雪解けが始まったころに再度催促の電話を業者にしました。ふた冬を超えたその頃にはかなり広範囲に剥離が発生していました。するとその社長の態度は豹変し、剥離の原因は建物にあるので塗装のせいではないという事を言われました。お客様は納得がいかず、とにかく確認に来るよう主張しましたが、最後はその社長が居直って家に怒鳴り込んで来て、とても怖い思いをしたそうです。もう、その社長の顔を見るのもいやになり、補修工事を頼める他の業者を探していたところ、ご縁があって当店で補修させていただきました。

大切な住まいを決して安くない費用をかけて塗装したにもかかわらず、このような被害にあってしまい、本当にお気の毒な事例です。

このような業者が訴えられもせず、今でも商売を続けていられるのが不思議でなりません。

事例その2 誠意のない指示に耳を疑った

日頃から情報交換させていただいている、同業の職人さんから聞いた事例をご紹介します。

この職人さんは、何社かのリフォーム業者やハウスメーカーの下請けをしています。

ある元請け業者から住宅の塗り替え工事の指示を受けた時のことです。工事を着手する前に、その元請け業者の担当営業マンから受けた指示に不安を感じ、その仕事は受けずに断ったそうです。その指示とは、お客様に対して下記のような口裏合わせを強要する内容でした。

  1. 使用している塗料は他では手に入らない特殊な塗料であるということにして欲しい。
    ※実際には市販されている塗料であり、専門業者であれば誰でも手に入れる塗料です。
  2. 塗料の缶は中身がわからないように、ラベルやメーカー名が書いてない物に移し替えて現場に持ち込んで欲しい。
  3. お客様から聞かれた時は、塗料の耐久性は半永久的だと回答欲しい。

このようなお客様をごまかすような口裏合わせはできないと思い、その仕事は断ったそうです。

きっとその営業マンは受注したい一心でややオーバートーク気味の営業をして受注したのだと思います。営業の話法として、これくらいなら許されるかな?と思いながら説明しているうちに段々と歯止めがきかなくなり、契約にこぎつけた時には嘘ばかりの説明をしてしまっていたというようなことなのでしょう。

その後、その営業マンは口裏合わせをしてもらえる職人さんを探して、工事をなんとか完成させ、お客様をごまかしたまま引渡しを行い、代金を回収したのでしょうか?

塗装業者には、自分で営業して工事を受注する力がないところが多いのです。そのような業者は大手の会社からもらえる下請け仕事だけで生計を立てています。この事例のような口裏合わせに協力してでも、仕事をしなければならい業者を取引関係にある下請け業者から見つけてこの工事を行なったのではないと思います。

事例その3 知らずに高額な金額で発注してしまった

築15年目の住宅の外壁と屋根の塗り替え工事をさせていただいたお客様に、匿名を条件に当店のwebサイトでご紹介させていただくことをご了承いただきました。

当店が提出した見積書をご覧になり、6年前にポストにチラシを投函した業者に塗装してもらった金額と比べて極端に安いが、安い塗料で見積もったのか?と言われました。

通常、塗装工事を行なうと次回の塗装工事は約10年後になるのですが、色褪せやところどころ剥離が見られるようになり、6年経過したところで再度塗装工事を検討しているとのことです。今度はもっとランクの高い塗料を使ってもらいたい。そんなお気持ちであることを説明されました。

お聞きすると、6年前の塗装工事代金は120万円だったそうです。確かにやや大きめの住宅ですが、当店がお客様に提示した金額はそれより40万円以上も安い見積りでした。使用を想定した塗料は、外壁がセラミック成分配合の水性シリコン樹脂塗料、屋根は2液形シリコン樹脂塗料なので、特に安い塗料ではありません。

6年前の見積書を見せてくれたのですが、内容が不明瞭で、どんな塗料を使って施工したのか全くわかりませんでした。外壁の塗膜の状況を見ると、6年前に塗装したとは思えないくらいに色褪せしており、ところどころ剥離もあります。剥離については施工技術や下地処理の不具合が原因であるような気がしますが、色褪せは塗料の品質が悪いことが原因であるように見えました。

当店なりの考え方や、使用する塗料について詳しく説明し、当店が最初にご提案した塗料でのご用命をいただきましたが、工事が完成しお引渡しをするときにはとても喜んでいただきました。そして、6年前の塗装工事について、お客様自らさらに詳しくお話をしてくれたのです。

どうしてたまたまポストに入っていたチラシをみてその業者に頼んだのかお聞きしたところ、少し高いような気がしたものの、他にどこに頼んだらいいのかわからなかったということと、一番の理由は来てくれた営業の人がとても親切で好感がもてたからだそうです。しかし、その営業の人は工事発注後は工事中も含めてその後一度も来てくれません。工事が完了すると職人さんは忙しそうに次の現場へ移動してしまい、その後、会社から請求書が郵送で届いたので指定された口座に代金を振り込んだものの、ついに営業の人からもそして会社からも、お礼の電話すらなかったそうです。

この事例は、塗装工事を高額で訪問販売する会社にそうとは知らず発注してしまったという、比較的多い事例です。

この会社は営業マンが受注すると、高額な利益を差し引いて、非常に安い金額で下請け業者に工事をさせます。通常であれば誰も引き受けないような安い金額です。経営が苦しい塗装店を探して協力業者として囲い込み、シーズンを通じて切れ目なく工事を与える代わりに、赤字ギリギリの安い金額で工事を引き受けさせ続けるのです。

そして、営業マンに高額な歩合を支払い、それでも多額な利益が確保できるような価格で営業に受注させるのです。中には販売価格の上限すら設定せずに、営業が高く売れば売るほど高い歩合を支払う会社もあります。いわゆる悪徳リフォーム業者です。

下請けには工事の品質など度外視したスピードと低価格を要求し利益を確保を最優先した経営体質といえるでしょう。

このような会社は有名塗料メーカーとの提携をほのめかしたり、「全国規模」または、「全道に拠点有り」など、つい信用したくなる文言を前面に出して活動しています。

そして、問題が表面化しそうしなると、いったん解散して姿や名前を変え、同様の活動を始めます。

ご相談・見積りは無料です。