業界のよくある悪い慣例

私がリフォーム業界に初めて就職したのが1984年です。長い間従事していると、この業界の様々な問題点や悪い習慣を目の当たりにします。
組織で働くためには目をつぶらなければならない事情があることもわかっています。当時は力がなく、打ち破れなかった業界の悪しき慣例も、建築塗装専門の会社を立ち上げ独立した今は自分がやりたかった理想の経営を描きながら打ち破っていくことができるようになりました。

元請けと下請け、中間マージン

私が当初就職した会社は小さいながらも元請けとして受注する会社でした。受注した工事は下請けに丸投げします。受注金額から必要利益を差引いた金額で下請けに丸投げするのです。営業が何人もいて、それぞれの営業が販売目標を割り当てられ、ノルマ達成のため必死に受注活動を行ないます。ノルマを達成できると高額な報酬がもらえます。逆に達成できないと報酬は極端に少なくなります。達成できた場合とできなかった場合とでは大きな差があるので、営業は必死になります。今の時代ではそのようなモーレツ営業を強いる会社は少ないのかもしれません。しかし、ノルマのない営業はありませんので、営業職となれば常に目標を持ち、目標達成のために注力していくのは今の時代も同じでしょう。

元請けが受注金額から必要利益を差し引くのは、会社の幹部や営業への報酬、広告宣伝費を支払うためにどうしても必要なことです。その分、お客様から利益分を上乗せした金額で受注し、下請け会社には受注金額から適正利益分以上の金額を差し引いた金額で仕事をお願いするのです。

そして、元請けと下請けの関係を長く続けていくうちに、元請けから下請けに提示する金額条件はだんだん厳しくなっていくことが多いのです。下請け会社も赤字にならないよう、あの手この手でなんとか利益が出るような仕事をします。

ひとつの元請け会社と長く付き合っていくと発生するありがちな悪しき慣例です。

営業、施工管理、施工、役割分担で起こるトラブル

営業の仕事を受注活動に特化させることで、大手のリフォーム会社は受注量を維持していきます。営業が新規案件の受注活動を二の次にして、すでに受注したお客様のケアにかかりっきりになっていることをほとんどの会社は正しい姿と判断しません。では、誰がお客様の住宅の工事を完成まで責任持つのでしょうか?少しましな会社であれば施工管理の専任がいて施工中の管理をします。しかし、施工管理の専任などいなくて、営業が下請け会社に施工管理を任せるケースの方が多いのも事実です。そこで発生するのが、約束したことや細かい仕様が実際に施工する者に伝わっていないというトラブルです。

これがリフォーム工事で一番多いトラブルです。たとえ施工管理の専任がいたとしても、このトラブルはよく発生します。それは営業とお客様とで商談を通じて共有した工事の完成に対する「想い」までをなかなか言葉で引き継ぐことができないからだと思います。私は営業時代、この「想い」を伝える難しさを味わいました。その苦い経験があるので私はご相談から見積り、そして施工管理、施工そのものも自分自身で行うのです。

苦情、トラブルに慣れきった悪しき感覚

リフォーム業界に長く従事すると多くの苦情やトラブルを経験します。

苦情やトラブルが発生する原因は上記しましたが、さらに問題なのは苦情やトラブルが頻発している中で長年仕事をしているうちに、特別なことではないような感覚になってしまうことです。そのような感覚になってしまうと、発生したトラブルも自分が窓口になって対処しようとは思わなくなります。受けた苦情を下請けのせいにして、その対処も下請けへ連絡して丸投げしてしまいます。リフォーム業界がクレーム産業だと言われる要因はこういった感覚が蔓延しているからではないかと思います。

たくさんの業者の中から、検討に検討を重ねて自社に施工を任せられたということは、苦情やトラブルを発生させない責任があるはずです。万が一にもトラブルが発生したのであれば、下請けに対処を丸投げするなどできないのが当たり前の感覚です。

残念なことに、この当たり前の感覚を持ち続けることができない者が少なからず存在します。信じられないかもしれませんが、お客様から受けたお叱りをうまく言いくるめて納得させたことを自慢する輩もおります。

ご相談・見積りは無料です。